修復のベースは愛♡
20年ぶりに見つかった 一冊のリーフレット・・・父が豊川のあたりの絶滅危惧種の甲虫を見つけたときの文献でした。
各地の川の護岸工事により 絶滅したであろう甲虫を、東三河のある川べりで見つけたという記事は当時 あまりにも珍しい出来事として新聞にも載ったものです。 すっかり忘れていたのですが、豊橋自然史博物館とタッグを組んでつくられた そのリーフレット・・ふみひろくんへ・・と、書かれていましたが(悪いけど興味もなく)書棚の奥にしまいこんでいました。 まるでタイムカプセル?! 今ごろみつけ、ひきこまれるように読みました。 飛べないその昆虫がどうやって東三河にたどり着いたのか・・野生の勘といっていい父の感性が 発見へと導きました。 自然環境の研究においては とても意義のある出来事なのだと感じています。 肺気腫で今は外へ出られなくなった父を思うと・・もっと耳を傾けていたらよかった・・、 共同研究された先生方をネット検索しました・・今って便利ね。 そして 名古屋にお住まいの先生がいらっしゃるのだと知り、進んで検索していったら その先生の名前は 甲虫類の研究者としてご活躍させているとともに なんと「仏像修復師」をしていらっしゃることがわかりました。 昔の父のことを聞きたい!! なんとかお会いできないものか・・続けて検索していったのです。 すると ある絵画教室で修復師の先生の体験レッスンがある・・というではありませんか?! 行きたい・・でも・・「白井勝巳? 知りませんね〜」と言われたらどうしよう。 その体験講座・・二男の国立大学の二次試験でしたし・・ ところが二男が「かあさん・・是非行って!! 体験レッスン どうぞご自由に・・俺のこと まったくもって考えないでいーから・・」 その言葉・・魂の協力?! 申し込み期限ギリギリに 絵画教室の三輪先生にメールしました。 三輪先生も快く申し込みを許可くださり わくわくとその日を待ちました。 当日・・修復師の蟹江昇先生にお会いでき 感激。 笑顔が素敵! そして 虫屋さんのイメージそのもの(これは私だけの感覚) 先生は自己紹介とともに 仏像修復への愛を深く深く語ってくださいました。 息子さんである 蟹江隆広さんも情熱的な修復師さんです。 お二人が仏像の構造的なもの・・時代背景・・素材 変遷・・さまざまを教えてくださいました。 仏像って、私は芸術品として見るのは好きなのだけど、祈りの対象であり・・そこには救われたい方たちの膨大な想いが向けられているので 粛々とした気持ちでしか向き合えない・・決してやすやすと触れることすらできないもの・・・と思っていまして・・転ばないように・・近くにうかうか行って 壊さないようにドキドキしていました。 直接触れる・・という体験ではなく 先生が描かれたフォーマットの仏画?! に筆で色を塗る体験でした♪ 先生のお手本です。 修復前と修復後を写真で見せていただくと、とっても仏像が優美でイケメンになっていて {よかったですね〜♡} と思いました。 枯れかじけた仏像も良いとは思いますが・・・リメイクし ふたたび命を吹き込まれた御仏のお顔は口角があがり、喜んでいるようでした。 脱サラして、食うや食わずの時代を経て、修復という仕事を手がけるようになられた先生です。 素晴らしい芸術ではありますが、緻密で繊細な・・・大変なお仕事です。 昇先生は息子の隆広先生には「この仕事はやるな」と言っていたそうです。 しかし、隆広先生も さまざまな学びを通して そのお仕事を選ばれました。 「100年たっても 自分の仕事が残っているって 素晴らしいなと思ったのです」と・・納得。。 小さなころから お父上の後ろ姿を見てらしたのでしょう・・。 尊敬する気持ちがなかったら 継ごうとは思えなかったと思うので、深い親子の絆も感じました。 そのお部屋には、徳川二代目将軍のご母堂さまの菩提寺から依頼されたという像もありました、(はじめて修復を手がけるのは蟹江先生ということです!) ゆうに400年は経っています。 修復前なのに 400年たっていても鮮やかで細やかでした。 当時のそれを手がけた仏師の魂を感じます。 エネルギーのこもったお品に丁寧に修復をかけていく・・ということは、そこから100年時を経ても良い仕事をした職人として後世に伝わっていくのです。 感動!! 平安・・鎌倉・・戦国時代・・江戸・・と変遷していくうちに 樹木の一刀彫から 次第にパーツごとに作って組み合わせていく寄木づくりに変わり、仏像は庶民に近くなっていきますが、高価であろうと そうでなかろうと 人々の心の拠り所となっていたのは確かで・・ 瑣末なつくりの仏像であっても 伝えられた仏像は たしかに なんらかの象徴になっていて・・宝です。 蟹江先生の丁寧な愛情で修復された仏像はさらに生きるのです。 話を聞かせていただき 修復・・という言葉に縁のある 今の自分を思いました。 たまたま読んでいる本が 細胞修復の話だったり・・ そもそも 私は生きているかたのお身体の修復をお手伝いさせてもらっているのです。 修復のベースは愛♡ この魂の出会いに感謝・・です。 放課後アートスクールを開催してくださった三輪先生・・本当にありがとうございました。 三輪先生の奥様と息子ちゃんともご一緒させていただきました。 流木アートの先生と、陶芸の先生にも出会わせていただきました。そして 蟹江昇先生 隆広先生 素晴らしい体験とお話しを 本当にありがとうございました。 最後に 先生のところにたどり着いた理由をお伝えしました。 父の名前を伝えましたら・・昇先生は 懐かしそうなお顔をされ 「白井さん!! よく覚えていますよ。」ですと・・涙。 「三河で 絶滅したであろうツツイキバナガミズギワゴミムシを発見・・飛んでいきましたよ。一緒に 川べりを掘ってね・・探して・・ 僕たちは研究データを頭に虫を探すんですが 白井さんは独学で道を開いていった人でね・・えもいわれぬところで足をとめて探し出すんですよ。白井さんの持っている標本にはまだ未発見の種も・・いるかもしれないなぁ」 なんだか・・その言葉だけで胸が詰まりそうでした。 先生は今もなお 研究し、後世に伝えようと進まれています。 そのエネルギーは膨大!!! 私も名古屋で開かれているという昆虫の学会にいつか参加させていただこうと思いました。 昆虫の色鮮やかな色彩やデザインは美しく機能的で最高だと思っています。もちろん鳥や花も美しいですが・・ 自然は本当に色鮮やかで、私たち人間の心を癒してくれます(植物のエキスは人間の体も癒してくれます) 私たち人間も地球上の生物の一部だということを忘れてはいけないなぁと思いました。 人間が一番だなどと思うのはとても傲慢です・・人は無用な土地開発や自然破壊をしてはいけない。 未来の大人たちに残すべきは 自然なのだと 今の大人たちが理解しないと・・ まだこの地球が修復できるうちに。 素敵な体験をありがとうございました♡ ご縁をありがとうございました。 ⭐︎ ca37 放課後アートスクール (三輪先生のスクール♪) 愛知県瀬戸市城ヶ根町17-13 050-7770-4470(研究所のお電話です) 感性の豊かなお子さまにアートな才能・・磨いてさしあげてください⭐︎ ⭐︎ (有)宗教美術工房 (蟹江先生の工房です、仏像修復 新企画製作 寺院彩色工事を引き受けていらっしゃいます) 愛知県瀬戸市西洞町117 0561-84-8002(工房のお電話です)
by aroma-mamayuiko
| 2017-02-26 23:31
| マイライフ
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